第29回 売り込みたいなら疑問形で喋る
 お客様の視点に立つため、自分が買い手であるシーンを思い出してみましょう。売り手のセールストークがとても興味深く納得できる場合もあれば、ただ小うるさいだけでまったく話を聞いていない場合もあると思います。

 売り手は売りたい目的を達成するために、お客様に自分が提供するモノやサービスがお客様にいかに役立つか、他社よりいかに優れているか、など、あの手この手のセールストークでアピールしますが、これに対して、お客様がどう思うか、どう対応するかは、お客様の自由であり、そもそも買う目的を持つ必要もありません。

 モノやサービスを売買する上で、買う側と売る側の関係性は対等です。ただし、最終的に選択するのは買う側という点で、売買の主役はお客様にあるとみなした方が、ビジネスを考える際は良いプランを考え易い場合が多いです。

 ここで考えたいことは、お客様を主役とみなしてコミュニケーションをどう取るか、というテーマです。

 自由なお客様を相手に、モノやサービスの良さや価格や役立ち度を一方的に話すとすれば、相手のニーズを引き出せるかどうかを運試ししているようなものです。

 お客様のニーズは、最初から明確にあることは少ないです。お客様の購買プロセスは、大概、おおよそこんな感じのものが欲しいが合致するものはないか、と幾つか探した中から一番ふさわしそうなものを選ぶ、というものです。

 お客様の興味を引き出し、自分が欲しいものはこれなんだ、と納得してもらうために必要なことは、自分が喋ることではなく、お客様に喋って頂くことです。

 「これは良いですよ」と言うより、「こういう良さがありますが、いかがですか?」など、売り手側がお客様の気持ちや判断を断言するのは避け、疑問形でお客様から答えを貰うことが大切です。

 たとえ簡単で分かりきった質問でも、あえて聞くことが大切です。ここで話す意図は、お客様の自由な本音を引き出すことであり、主体的に巻き込んでいくことです。
 答えに迷う難しい質問をするより、お客様が簡単に答えられる質問を行う方が、お客様がスラスラと喋っているうちに、自然に本音に入っていけたり、または、お客様が気付かなかったニーズに自分自身で辿り着いて頂けることもあります。

 売り込みたいために喋りすぎるようでは、売り手が主役になっています。お客様が主役であることを意識し、会話をする際は、疑問形を使ってお客様から答えを貰うように心掛けましょう。
【2007/10/19 23:59 】 | コミュニケーション | コメント(0) | トラックバック(0)
第28回 女性と働く
 女性と働く、というテーマは男性から見た視点であり、差別的なテーマであるとも言えます。しかし、日本のビジネス社会は男性が多いのが実情である一方で、働き手が減少していることもあり、女性の社会進出と待遇向上が避けては通れない最重要課題の1つである、という点で、あえてテーマとして挙げました。

 まず最初に触れなけれならないのは、女性というカテゴライズの正しさです。人間は1人1人個性があって違いますが、ある特定の傾向があって、これにより分類することができます。
 例えば、血液型、生年月日、出身地、民族、学歴、等々。人間はこうした区分をもって明確に分けられるものではありませんが、統計的にある傾向を持っている、と言うこともできます。この中で、性別は大変大きな傾向を持っている分類だと言えます。

 学問上の女性を語るつもりはなく、ビジネスに特化して女性と働くことを考える場合、特に以下の3つに気を付ける必要があると考えます。

 (1)体調および感情の起伏が激しい傾向がある
 (2)男性に負けたくないと思う傾向がある
 (3)他の男性から守る必要がある

 (1)の傾向を持つ女性に対しては、相手の状況に理解を示し、気持ちを汲んで共感しつつも、ビジネス社会を生きる上では、安定したプレーができることが必要な資質である、と期待する必要があります。

 (2)は、日本のビジネス社会は男性が多く、女性の方が男性より幾らか人材流動性が高く(育児休暇も含む)、同じ評価なら、男性>女性となりがちな会社が実態としてあるだろうことは推測できます。ただし、これは逆にあくまで傾向であって、評価は性別ではなく個人にされるものです。個人として優れていれば、当然会社は将来に高い期待をする、ということを教えてあげましょう。

 (3)は、セクハラをすぐに気付いて改善することは当然として、やっかいなのは、女性は社内でも社外でも、恋愛の対象として狙われ易いことです。ハッピーな恋愛なら応援してあげればいいですが、そうではなく男性からパワハラ的な攻撃を受けて悩んでいる場合は、早めに気付いて、社内に対してもお客様に対しても毅然とした態度で守ってあげなければなりません。

 男性と女性が共存して働くことは、我々の社会にとって必須の課題です。大きく違う訳ではなく、しかしまったく同じ訳でもなく、お互いの違いや傾向を理解し、お互いに能力を引き出し合えるよう、良い職場環境を作りましょう。
【2007/10/17 23:59 】 | ブログ管理 | コメント(0) | トラックバック(0)
第27回 職場環境を厳しく作る
 良いモノを作れば自然に売上が上がった時代、バブル時代の崩壊は随分昔の話に思えますが、この時代から抜け出せずに苦しんでいる会社は今も少なくないでしょう。

 いわゆる勝ち組企業は、バブル時代であろうとなかろうと強い組織と職場環境作りをしていますが、バブルの崩壊に苦しんだ企業は、いくら会社のルールを時代に合わせて厳しく作り直して個人に厳しさを課したところで、社内の事務量を増やすハード的な整備が主体となって、これを運用するソフト面に対する意識が低いように感じます。

 言い換えれば、ビジネスのプロとして上昇志向を持つ目標達成度の高い社員だけでなく、何となく会社に来て何となく仕事をしている社員も合わせて同じベクトルで束ねるマネジメントの面で厳しさに差がある、と考えています。

 一番良いことは社風として会社の中で厳しさが統一されていることですが、そうでない場合は、自分が主導して自らの組織から始めるしかありません。

 マネージャーは長期的な展望をもって、組織と職場環境を常に管理し、部下を期待し誉める一方で、部下を期待し叱る必要があります。非マネージャークラスでも、特に上昇志向を持つのなら、今のうちから自分及び周囲に対する厳しさを備えておく必要があります。

 責任を持って叱ることは大変なことです。厳しい環境下で一緒に仕事をしている仲間に厳しく接することは難しい面もあります。しかし、本気で良い仕事をしたいなら、誉めるべきは誉め叱るべきは叱る、組織としての厳しさとメリハリは欠かせません。

 勝つための組織と職場環境を作るために、マネジメントの面で厳しさを身に付け、周囲を巻き込んで率先して実行しましょう。
【2007/10/15 23:59 】 | マネジメント | コメント(0) | トラックバック(0)
第26回 ビジネスの目的を見失わない
 ビジネスの目的は、原則利益を上げることです。利益を上げてこそ、社会貢献をする、夢を実現する、新しい未来を切り拓く、自分の生活が豊かになる、などの目的が実現できます。

 このビジネスの目的は非常に明らかな事項であるにも関わらず、日々の業務上で、すぐに忘れてしまう人が少なくありません。それは特に、人は感情を持つ生き物である、という観点で発生します。

 自分が正しい良い提案や発言をしているのにも関わらず、相手方が誤った理解をしている時に相手の誤りを訂正しようと試みたり、自分は真摯な対応で臨んでいるのに相手からひどい態度を取られて嫌になったり、相手にお願いしていたことを実現して貰えなかった時に相手を非難したり、こうした行為を見たり、したことはないでしょうか。

 上記は、利益を上げる、という目的を評価基準として、利益を上げられるなら必ず行うべきであり、利益を上げられないなら必ず行ってはいけない行動です。

 利益を上げる目的に合致するなら、相手が誤っていても自分の言動を謝罪したり、相手にひどい態度を取られてもご機嫌を取ったり、相手が無能でも自分が責任を取ったりする必要があります。

 大切なのは、ビジネスの目的を実現することであり、常にこの事実を見失ってはいけません。

 自分がこの考え方を実現できるとして、但し、こうしたビジネスの目的をすぐ見失う感情的な他の人を理性的に否定してはいけないこともまた事実です。人は感情を持つ生き物ですから、感情を大切にすることも、また大切なことです。

 感情的に仕事をする人は、上位クラスよりも、自分の同僚または部下にいることが多いと思います。こうした人を相手にして、ビジネスの目的を忘れてはいけない、と諭す際は、相手の感情に共感してあげるとともに、しかし、こうした別の視点や考え方を持つことも大切だよ、と気付かせてあげるようにしましょう。
【2007/10/12 23:59 】 | 意識・考え方 | コメント(0) | トラックバック(0)
第25回 意識的に質問する
 ビジネスが上手くできるようになると、その場にいるだけで、おおよそ相手の考え方や背景、成功に必要な要素、案件の落としどころと結果、など、様々なものが見えるようになります。

 特に欧米などに比べて、日本人は単一民族としての歴史が長く、共感によるコミュニケーションが通じ易い環境にあり、あれ、それ、といった単語でも会話が成り立つ場合が少なくありません。

 このような思考なしに自然に状況を体感できる状態を作り上げることは、ビジネスの勝ち方を継続させる上で非常に重要な要素ですが、一方でこの無意識でいろいろ見える状態をそのまま放置しておくことは、危険な状態に陥っているとも言えます。

 まず第一に、無意識の思考だけを利用することにより、過去の経験のみを頼みとした、狭い能力に自分の成長が留まってしまう危険性があります。
 答えが分かっていてもあえて質問することは大切です。自分の持っている答えと相手の持っている別の答えとを足して答えを昇華したり、意外な人脈や方法を発見したりできます。

 更に、もしお互いに理解できていたとしても、言葉にしてコミュニケーションを取ること自体にも重要な意味があります。
 それは、お互いの理解を一層深めるだけでなく、責任や義務の所在を明らかにする、関わる人間(バックアッパー)を増やす、相手の立場と自分の立場を履歴として残す、などの側面もあるからです。

 日々状況は変化しますし、ビジネスでは、自分に見えてない範囲にも多数の人間が関わっていることが普通です。こうした変化に富み多面的要素のある環境では、共感のみを頼みとしたコミュニケーションでは限界があります。

 手間をかけずに効率化を図ることは必須な一方で、コミュニケーションにも効率化を適用してしまうリスクは、日頃から意識する必要があります。

 ビジネスの初心者は勿論のこと、ビジネスに慣れた上級者でも、あえて簡単に見えてしまう答えを意識的に質問する、という習慣を付けることは非常に大切なことです。
【2007/10/10 23:59 】 | コミュニケーション | コメント(0) | トラックバック(0)
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